フリーターと化して今やっと自分が底辺にいる事を知る。その16

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初日を終えて、翌日からは基本的に始発まで店舗予定地内で一夜を過ごす生活が始まった。

 

朝まで起きてる夜間の仕事は、数ヶ月前までやっていたホストでだいぶ鍛えられたし、まだ年も若かったので何とかなった。

 

でもこれが1ヶ月、2ヶ月続くようであれば、もしかしたら音を上げていたかもしれない。

 

軽鉄屋さんに教えてもらった事

 

2日目の今日は、軽鉄屋さんが来る事になっている。

 

幕内の携帯が鳴った。早速軽鉄屋さんの車が着いたらしい。

 

台車に電動ドリルセットと電工ドラムを積んだ50〜60代のおっちゃんが百貨店に向かって歩いて来た。

 

幕内が軽く会釈すると、向こうもニコッと会釈してくれた。どうやら今日来てくれる職人さんはこの人のようだ。

 

なんか思っていた職人さんのイメージと違った。もっと職人さんって髪をキンキンに染めてニッカポッカを履いていて、肩で風を切って歩くようなイカツいイメージがあった。

 

しかし、この人はそんな様子はない、普通のおっちゃんだ。

 

そう幕内に伝えてみると、「あれだよ、要はアタリ(当たり)だよ、、」とニヤッとしていた。

 

一緒に入館手続きを終えて、会社の腕章を二の腕に付けてもらう。

 

後から誰も来ないので、どうやらこの現場はたった一人でこなすようだ。

 

彼の仕事は、店舗内に追加で下地が必要な部分に軽鉄鉄骨(LGS)下地を建てていくことだ。

 

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LGS(ライトゲージスタッド)を建てていく軽鉄屋さん

 

このおっちゃんと一緒に仕事していく中で話していくうちに色々個人的な事を聞かれた。

 

おっちゃん「兄ちゃんは、いくつなの?」

 

サイハン「今年25です」

 

おっちゃん「将来何になりたいの?」

 

サイハン「んー、決まってません。。でも、、漠然と海外に行きたいかな。。」

 

言いにくそうに、でも何となく、そう答えてしまった。

 

そしたら、急におっちゃんの語気が強くなった。

 

「何?!留学か?!」

 

「…そんならさぁ〜こんな所で燻(くすぶ)ってねえでよ、、自分が行きたいところへ行けよ!

 

僕の一言で、なんか急に彼のスイッチが入ったようだった。

 

「見たところ、まだ入って間も無いんだろ?」彼は鋭かった。

 

この時、「そう言われても。。でも。。。」という気持ちしか浮かばなかったが、後から考えてみるとこの人が言ってることはある意味間違ってないって気付いた。

 

でも僕は自分の人生なのに、日々生きていくだけで精一杯。まだ人生をどういう風にしたいとか何も考えられず、思考停止。ただ何となく生きていた。

 

今の自分にはお金が本当になくて、しかもそれがやっと楽になってきたところなのに、その食い扶持をまた手放してしまうことなんてできなかった。当時の僕には自分の夢に突き進むなんてことはリスクが高過ぎてできなかった。

 

敷地奥の軽鉄を建てる時に、長年リフォームされずヨレヨレになった百貨店の天井が落ちてきた。

 

「自分の夢はあれだよ、ずっと努力し続ければさ、、いつかはきっと叶うからね」

 

石膏ボード屋さんが持ってきたボードの切れ端を使って電動ドライバーで天井の補修をしながら、彼は静かにそしてゆっくりと僕の目を見ずにそう言った。

 

後で聞いた事だが、この軽鉄屋のおっちゃんは年収1000万以上稼ぐプレイヤーだったらしい。

 

現場管理の仕事で一番大切な事

 

3日目に2人の石膏ボード屋さんが現場に合流した。

 

彼らは2人とも中国人、中国のどこ出身かは聞かなかったが、片言の日本語は話せる。おそらく現地の日本語学校に通ってから、日本に出稼ぎに来ている人達だ。

 

軽鉄屋のおっちゃんと、この石膏ボード屋の2人のチームワークは完璧だった。みるみるうちに軽鉄下地に石膏ボードが建てられてゆく。

 

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そんな僕の仕事は、この作業をじっと見守るだけ。。いや、それももちろん大切だが、もっと大切なことがある。

 

2つの業者が出したゴミやボードの粉をホウキで掃いてまとめていく店内掃除係だ。

 

会社の上司からも「毎日現場の仕事(職人さんの仕事)が終わった後に、君がしっかり掃除するように」と言われていた。

 

現場管理ってそういう仕事なんだ。

 

いや、それが一番大事な仕事なんだ、と学んだ。

 

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