フリーターと化して今やっと自分が底辺にいる事を知る。その14

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1月中旬に例の会社の面接に行った。港区青山に足を踏み入れるのは実はこの時が初めてで、会社に着くまでの道のりにある周辺の建物の荘厳さや、周辺を歩いている人達の裕福な身なりがリクルートスーツに身を包んだ僕とは至って対照的なのが目に留まった。

 

正直一体どんな仕事をするのかなんてこの会社に入社するまで全然分かってなかったし、この会社に入って父の業界の仕事がどんな仕事か、初めて包み隠さず知る事になる。

 

それは、今までは某大手通信商社(間で勤めていたホスト、ニートだったことは周りの人には口が避けても言えない)で働いていた僕には畑違い過ぎる業界。

 

その仕事とは、建築建設現場の施工管理(現場管理や監督)だった。

 

現場管理や監督って何なのか?実際何をやってるのか?本当に見えにくくて分かりにくい職業だと思う。

 

現場に入る前に作業着を支給してもらった。上下綿でできたクリーム色のツナギに、左の胸元のポケットに社名のロゴが赤い糸で刺繍されていた。

 

納品代行の日雇い労働でよく通った百貨店へ

 

僕が初めて入った現場は、東京都板橋区中板橋の自宅から東武東上線で東京方面の終点、池袋駅での百貨店内にある1つのアパレル店舗の施工(新工事)だった。

 

まさか納品代行の日雇い労働でよく入っていた百貨店内のテナント工事をやるなんて思ってもみなかった。何かの縁かもしれない。

 

支給された上下クリーム色のツナギの上に黒色のユニクロのダウンジャケットを羽織る。

 

上司に借りたゴツい建築現場用のヘルメットにマスクを持参し、靴はボロボロの履き古した白のスニーカー。

 

そんな僕の上に付けられた現場監督は、僕が働き始めた会社から現場管理業を委託された別会社(株式会社テナントアップ)の従業員、幕内(まくのうち)という男性だった。

 

幕内は、40代前半で白髪混じりのミディアムのストレートヘアに銀縁のメガネ、一つ間違えれば浮浪者かホームレスにも見える風貌をしていた。

 

彼が勤めている会社は、金物をメインで扱う会社だった。

 

今回の現場のメインは、このアパレルブランドの衣服をテナント内でそこら中に掛ける為の金物什器。そこで金物を得意とするこのテナントアップに声が掛かったのかもしれない。

 

幕内とは、池袋にある某百貨店近くの喫煙所コーナー前で合流することになっていた。

 

20時〜始発の夜間工事が始まる

 

待ち合わせの時間は、夜の20時過ぎ。

 

その日は2月の下旬の寒い寒い夜だった。最低気温は5度、心身ともに冷える。新しい職場での不安感も相まって本当に心細かった。

 

百貨店は複合商業施設なので、顧客が居る営業時間内の工事はほぼほぼ許可が下りない。ましてや騒音や粉塵の出る工事なら尚更のことだ。

 

基本的には、百貨店の営業時間が終了してからの工事開始となる。

 

つまり、僕はこれから2週間もの間、連日夜間工事に就くことになるのだ。もちろん休みはテナントが完成するまで無しだ。

 

毎日夜20時に百貨店前に集合して、そこから日付が変わって始発が動き出すぐらいまでの間は電車も無い。このテナントの敷地内にカンズメ状態だ。

 

さっきまで不安だったのが嘘のように今度はドキドキワクワクに変わってくる。新しい世界が僕を待っている、それはどんな世界なのだろうか。

 

喫煙所コーナー前で待っていると例の幕内という男性が現れた。「今日からよろしくお願いいたします」と頭を下げる。

 

「よろしくね!」狐そっくりのつり目の目尻を下げて幕内が言う。お互い軽く挨拶して喫煙所の中へ。

 

さて、いよいよか。。。

 

お互いに一服した後、幕内と僕はツナギの上にダウンで身を包み百貨店の業者向け入り口の方に歩いて行った。

 

 

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