フリーターと化して今やっと自分が底辺にいる事を知る。その7

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墨田区の学芸大学駅前近くにある廃棄物処理業者の日雇い労働はなかなか楽しかった記憶がある。

 

ここの日雇い労働に向かう同い年ぐらいの男性達4人と学芸大学駅前で合流し、そのまま現場に向かう。

 

歩きながら、軽く4人と自己紹介をする。とは言っても皆若さを盾に(理由に)ブラブラしているフリーター達ばかりだ。

 

その中にクラウドワークスで都度仕事をしていたという1人が居た。「クラウドワークスで仕事が貰える人なら、こんな日雇い労働なんてしなくても・・・」という話をしていたら、「そう簡単じゃないんです、クラウドワークスの受発注ってほとんどコネなんですよ」と言われてしまった。

 

クラウドワークスを詳しくは知らなかったから、そんなもんなのか。、と妙に納得してしまった。

 

廃棄物処理業者の車で空き瓶を集めまくるミッション

 

内容は簡単で墨田区、渋谷区周辺の家庭から出た空き瓶をひたすら集めていく(回収していく)仕事内容だった。

 

社員の50〜60代ぐらいのおじさんが運転する2トン車の助手席に、1人1人乗せてもらって一緒に地域の空き瓶を集め回っていく。※基本日雇い労働者に運転を任せられることはありませんが、要普通免許の日雇い労働です。

 

街中で空き缶や空き瓶などの資源ゴミを回収している業者を誰もが見掛けたことがあると思うが、まさにそれでその助手をするアルバイトだ。

 

ここの日雇い労働は年中募集している訳ではなさそうだった。

 

年末年始に近づくに連れて普段いつもこの墨田区、渋谷区の空き瓶を回収している業者が年末年始の休みを取るらしい。

 

その業者の代わりに空き瓶収回収に走っているのがこの廃棄物処理業者らしかった。

 

この仕事は、俗にいう、一般人が嫌がる汚い(汚れる)仕事だ。車の助手席に乗せてもらうと車は走り出した。

 

おじさん「君、初めてなんだって?」

 

サイハン「はい!よろしくお願いします!」

 

僕は軍手をはめ、スニーカーを履き、いつでも汚れてもいい作業着姿。

 

おじさん「まあ内容は簡単だからな〜、よろしく」

 

この後すぐ、温和な人かと思われたおじさんの様子が突如変貌する。

 

車を資源ごみの集積所近くの道路の左脇に止めた瞬間、おじさんは車の扉を開けて飛び出していったので、慌てて着いていく。

 

そしておじさんはいきなり叫び出した。

 

「この野郎!コイツら、こんなしょうもねえところで何やってんだ!!!」

 

初めはおじさんが誰に対して怒っているのか分からなかった。

 

しかし集積所近くを見ると、何やらカラーコーンとコーンバーで集積所が取り囲まれている。

 

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どうやら集積所付近の道路整備が行われているらしく、道路整備業者の車が周りに止まっていた。

 

集積所の資源ごみが回収しにくいから(自分の仕事がやりにくいから)おじさんは怒っていたのだ。

 

一緒に乗せてくれるおじさんがちょっと短気で叱られることも多かったが、僕は総じて楽しかった。

 

何より東京では普段乗らない(乗る機会のない)車に乗って行ったことがない所へ移動できるし、空き瓶を集めてくるというまるで宝探しのようなミッションにもやりがいを感じていた。

 

「ちょっと待てよ、今車来てるからな。。。よし、今だ!!」

 

おじさんの掛け声と共に一緒に自動車から降り、周りの空き瓶を隈なく回収していく。

 

墨田区の空き瓶は、基本的に空き瓶回収コンテナ(黄色)にまとめて入れられている。

 

ここから集めてきて2トン車の後ろの荷台に積んであるカゴへ次々と積み込んで行く。たまに黄色のコンテナの隣に並べてある空き缶回収コンテナ(青色)の中に紛れている時もあるし、逆もある。

 

その辺の道端に瓶が転がっていることもあった。

 

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墨田区役所HPよりお借りしました。

 

問題が渋谷区だ。渋谷区はこのコンテナが無かった。基本的には中身の見える袋に入れて集積所に出す決まりのようだ。

 

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渋谷区役所HPからお借りしました。

 

中身の見えない袋に入っている空き瓶らしきものは、面倒だが一つ一つ中を開いて確認していくしかない。

 

空き瓶と空き缶が混ざっている場合もあるし、全然関係のない乾電池が一緒に捨てられている場合もある。

 

できる限り空き瓶だけを回収していくのだが、上記のように瓶とは関係ないものが捨てられていたりすると、おじさんがすごく迷惑そうな嫌そうな奇声を上げて機嫌が悪くなった。

 

恵比寿の高級マンションで

 

車でグルグル回っていると、前に見たことのある風景が出てきた。なんとそこは渋谷区の恵比寿だった。

 

前に恵比寿に訪れたのは、5ヶ月程前の新卒の会社での決起会の時だったと思う。新卒の会社で決起会というものが毎月あった。

 

これはただの飲み会ではなく、課の先輩達とお酒の席でコミュニケーションをとることで仕事に勢いを付ける(決起する)というのが名目だった。

 

サイハン「え?ここって恵比寿ですよね?色々オシャレでめっちゃ高いところですよね?!」

 

おじさん「えぇ?そうなのかい??俺は全然そういうの疎いから分かんねえんだけどよ!笑」

 

僕が妙に喜んでいるのを見て何か面白かったらしく、おじさんは反応に困っていた。

 

見るからに家賃の高そうなマンションの地下駐車場へ2トン車は入っていく。どうやら今度はこのマンションの空き瓶を回収するらしい。

 

薄暗い駐車場を奥に進み、おじさんは鍵の掛かった鉄扉を開ける。すると、編み編みの樹脂製のカゴがズラッと100個は並んでいるだろう部屋が目に入った。そしてその中にはこのマンションの家庭から出たと思われる無数の空き瓶が所狭しと収納されていた。

 

中にある空き瓶の種類を見て、僕は思わず目を見張った。

 

さすが恵比寿の高級マンション、出てくる空き瓶はモエ・エ・シャンドンなどの高そうなボトルばかりだ。(ホストの時にお客さんに入れてもらったこともないw)

 

大きな酒瓶や、1升瓶が思ったより多く、あっという間に2トン車の荷台は一杯になって行った。

 

「よし、引き上げるぞ!」とおじさんが言った。

 

最後の空き瓶達をカゴを使わずに両手に抱えて2トン車まで歩く、その途中僕の手から1つのボトルが滑り落ちた。

 

あっ!!!と思った瞬間にはもう遅かった。

 

ボトルは駐車場のコンクリートの床にぶつかった瞬間、粉々に砕け散った。

 

おじさん「あーあっ・・・!」

 

サイハン「す!すいません!!!」

 

おじさんは大きなガラス破片を軍手を付けた手で拾い始めたので、僕も続いてすぐに拾い始めた。

 

そして、トラックから箒と塵取りを取り出すと、さっさと床を履き始めた。

 

最後にキラキラザラザラした破片が僅かに残っていたが、おじさんは靴でまばらに伸ばしていた。

 

おじさん「まあ、しゃーねーな!!おい、手怪我してねーか?」

 

サイハン「はい!大丈夫です!」

 

おじさんと僕は車に戻り、地上へ出た。

 

一旦2トン車一杯になった空き瓶を会社まで持って帰ることになった。

 

帰りの車の中で考えていたことは、さっきまで居た高級マンションのことだった。

 

(・・・やっぱりお金がある所にはお金はあるもんだなぁ。。)

 

帰りの車の中で、おじさんがシュボッ!と火を付けて一服し始めた。

 

サイハン「あ、ケ◯ト吸ってるんですね!」

 

おじさん「おう、兄ちゃんも吸うのかい?」

 

サイハン「はい!」

 

おじさん「え!お前吸うのか!それならもっと早く言えばいいじゃん!いいよ!吸っていいよ!」

 

「あと俺はブラックしか飲まねーから、この貰ったお茶とか甘ったるいコーヒーとかやるよ、飲みな!」

 

 

僕は驚いた。

 

まさか日雇い労働者として来ている立場の僕が車の助手席に乗せてもらいながら、おまけに一服までさせてもらえるとは思ってもみなかったからだ。

 

サイハン「この仕事楽しいですね!車に乗れるし!一服できるし!」

 

おじさん「はぁ?そうか?(笑)俺なんかさ、毎日ゴミ回収してるからもう飽きちゃって飽きちゃって!」

 

おじさんはご機嫌だった。

 

続く。。。

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