ホストになりたい貴方へ、新宿歌舞伎町のホストを3ヶ月間やってみて感じたこと、学んだことを伝える実話。

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それはこの仕事を始めてからだけど、ようやくフリーターらしい生活になってきた。でもこのあとすぐ来るどん底と比べたらまだまだ序の口だった。

 

サラリーマンの時に貯めていた貯金をどんどん使い果たしてゆく。残貯金がみるみる減っていくにつれて、いよいよ家計が火の車状態になってきた。

 

月2万円の大学の奨学金返済も地味に効いていた。

 

従業員、心を込めてアーーリアス!

 

内勤がマイクを手に取る。

 

「従業員!心を込めて〜〜、アーーーーーリアス!!♪♪」

 

同時に従業員達が手を上げ掛け声を「アーーーーーーーーーーーリアッス!!!!!(ありがとうございました!)」

 

夜の1時が回り、やっと僕らは解放された。

 

そこは地下の大部屋だった。何を隠そう、お姫様達が毎晩のように夜明けまでお酒とお喋りを楽しむお店だ。

 

「雫(しずく)、今日は指名取れたから、キャッチは無しかよ。いーなぁ、来夢行こうぜ」

 

鏡月に酔った気怠い身体を起こしながら僕は言った。そう、会社員を辞めて1ヶ月後、僕はホストになっていた。

 

そこは新宿歌舞伎町、日本最大の繁華街。

 

地下から上がったところには案の定、店の内勤が立っている。

 

「た〜つ〜や〜?帰ろうとしてないよね?指名取れてないんだから今日も朝までキャッチだよ!!」

 

「分かってますよ、キャッチですよねキャッチ!来夢と行ってきますから!」

 

「俺が電話掛けたら絶対出てね?帰っちゃダメだからねー?」と後ろから内勤の声が追い駆けてくる。(終電終わってるからそもそもタクシーじゃないと家帰れないんだけど)

 

しつこい内勤を納得させ、僕は来夢と旅に出た。朝までの長〜い長〜い始発待ちの旅だ。

 

新宿から自宅に帰る山手線の始発電車は、午前4時44分発。

 

その時間までずっと起きとかなきゃ行けないし、お店に呼べる女の子を捕まえないといけない。(本当は)

 

僕の場合はどちらかと言うと、入って1ヶ月経ったぐらいからもうダレてきた。だって全然指名が取れなかったからだ。

 

それも来る客はと言えば本当に変なのばっかり。話もまともに通じないし、見た目もとにかく凄い。

 

たまに先輩のお客さんでめちゃめちゃ可愛い人とか来てすっごくソワソワしたりする。

 

仕事はそっちのけで他に楽しみも無かったから、1時上がりに来夢と雫と松屋で牛丼の大盛りを食べ、歌舞伎町の女の子に声を掛けることが毎日の楽しみになっていた。

 

 

でも2対2って結構苦手だった。なんか2人の環境だと1対1で相手のことだけを考えながら過ごせばいいけど、4人だと他の3人のことを考えながら過ごさなきゃならないから本当に難しい。

 

複数人で盛り上がるっていう感覚が未だに苦手だった。だから飲み会とかでも盛り上がれない。(盛り上がるって何なんだろう?)

 

お店でもそうだった。先輩のお客さんと仲良くなっても、先輩を含めて3人以上で話すっていうのがどうも苦手だったのを今も覚えている。

 

先輩のホストと一緒に出かけた時もそうだ。あと相手の女性が綺麗すぎるとなんか引いてしまう。

 

自分のタイプの子だと目を合わすのが恥ずかしい。先輩ホストに任せてそっぽを向いていると、「お兄さんは良いんだけど、あっちのお兄さんは私達に全然興味ないみたいよ〜?」と言われて、「たつやぁぁ〜!?(なんでそんな態度を取るんだ?!)」とよく怒られていた。

 

なぜホストになりたかったのか?

 

ホストになりたかった理由は、なんだろう。なんか自分が格好良くなりたかったから。あと若い時にしか絶対出来ない仕事だと思ったから。

 

根底には女性にモテたい、女性にモテるように格好よくなりたいという気持ちが強くあって、それでお金儲けができるなら尚更いい。そんな甘い考えだったと思う。

 

本当は大学時代の就職活動で別にこれといってやりたいこともなかったから、ホストになろうと思って母にやってみたいって言ってみた。でも、それは流石にと止められてしまった。

 

「ホストなんてお金に凄く困ってる貧しい子とかがなるのよ?」「生きて来た環境が違いすぎるよ?」と言われてしまった。

 

母との話はそれっきりになってしまったが、それでもやっぱり自分の中ではやってみたいという気持ちは残っていたんだと思う。

 

けんしろうに声を掛けられた時にやっぱりやってみたい、自分の中で再びそう感じたんだと思う。ある意味思考は、本当に現実化するのかもしれない。

 

売れなければ金銭面では火の車

 

営業が終わって、他の同期のスタッフが粗方指名客を取っていたので一人でキャッチに繰り出す。

 

たぶん近くの店なんだろうホストとすれ違う。アフターなのか綺麗な女の子と一緒に楽しそうに歩いている。今の僕と彼の状況を比べれば、天と地ほどの差があるのだろうか。

 

仕事終わりでもう汗だくでクタクタなのにまだ歩き続けなきゃならない。正直、ホストで学んだ事はたくさんあったと思う。

 

ホスト(水商売)はお客さんに自分のお店に来てもらって自分にお金を使ってもらわないといけない。お客を呼べなかったらその日はお茶っぴきと呼ばれるし、明日は絶対呼べよ!?って店側からノルマを課される事も多い。

 

僕より後から入ってきたホストで、今まで全然女の子を口説いた事がなくて女性経験も無い人も多かった。

 

(そんな奴が入ってきて使い物になんの?!)

 

と正直思ったけど、まあちょこちょことお客さんも付いてたのに途中から来なくなる子も多かった。なんか違うなって自分で思ったのかもしれない。

 

僕は入ってぴったり3ヶ月で辞めた。お客も付かなかったし、3ヶ月間の昼夜逆転の生活にもう心身共に疲れ切っていたからだ。

 

始発帰りの山手線で、新宿から池袋の4駅で降りるはずなのに、たまに電車の座敷に座れちゃったりすると始発までの間ほとんど立ちっぱなしなのでついつい座ってしまう。

 

すると、次に目を開けた時には新橋駅に着いていた。

 

あー。。。やってもーた。。

 

面倒くさいからこの電車に乗ったまま池袋駅まで行っちゃお!ってもう一回寝たら、次は日暮里駅に着いてたりする。。笑

 

見事にドンピシャ朝の通勤ラッシュの時間帯、座敷の周りも立ってる人も僕以外は全員スーツ姿のサラリーマンでなんか明らか気まずいし、もちろん逃げ場すらない。。なんて事もあった。

 

出勤する時は、夕方だから大量の帰宅途中のサラリーマン達とすれ違うことになる。そして新宿の歌舞伎町手前の百果園がある通り辺りでちょうどその波に逆らって進まなきゃならない。

 

 

一方で退勤する時はまだ始発で少ないっちゃ少ないが、出勤してくる昼職のサラリーマン達とすれ違うことになる。

 

だから精神的にも、夜になって外が暗くなると自分が暮らす世界だ!と感じるようになり落ち着くようになってくる。

 

逆に始発が過ぎて外が明るくなってくるにつれて、自分が居てはいけない世界だ!と感じ、なんか落ち着かなくなってくる。

 

普通に考えれば朝なのに太陽は昇ってくるのに、この時間まで起きてちゃいけない、寝なきゃ!と半ばドラキュラのような体質になってゆくのは異常としか言いようがない。

 

以前は自分も普通にそうしていたはずの事が、今日気付いたら逆になってる。人間の人生っていつどうなるかなんて本当に分からないものだなぁ。。今日の常識が明日の非常識になる事だってある。

 

たった3ヶ月間だったけど、実労働時間に比べて思った以上に少ない睡眠時間や自分の時間の短さとか、知られざるホストの過酷さを体験することができた。

 

ホストになる前に押さえておきたい事情

 

そんなこんなで朝自宅で起きると、、、もう朝じゃない。15時過ぎ。出勤まで僅か2時間と少し。

 

そこから慌ててシャワーを浴びて準備して、新宿の美容室に向かいヘアメ(ヘアメイク)を施してもらう。「今日もスジ盛りでいきますね〜♪」と掛かり付けの可愛いお姉さんにやってもらう。

 

これが一回大体1,400円ぐらい。もちろん自己負担。週に1回日曜日が休みだったから、僕の場合は1ヶ月で大体1,400円×26日=36,400円ぐらい掛かってた気がする。

 

ホストは自分を綺麗に見せる為に化粧をする人(化粧品を使ってる)も多かった。入って1週間ぐらいで、池袋の西武池袋百貨店のMACで化粧水とファンデーションを買った。

 

なんでMACにしたのかは覚えて無いけど、化粧品も1万円行かないぐらいした気がする。

 

 

 

 

 

化粧品は値段以上に買う時の理由付けに本当に困った。だって大の男がいきなり一人で買いに来るものじゃ無いだろうから、オカマかその辺りだと勘違いされるからだ。

 

言い訳としては、「ちょっと仕事で今回どうしても男が化粧をする必要があって買いに来たんですが、試しにメイクしてみてもらえませんか?」と。

 

周りから「本当かよ?!」と声が聞こえてきそうだが、その場で試しに化粧してもらえることになった。鏡を覗き込んでいると反射で周りの売り場のお姉さん達がこっちをチラチラ見ているのが手を取るように分かる。

 

はっきり言って、普通に恥ずかしい。

 

女性しかいないはずの女性化粧品売り場の空間で、居るはずのない1人ぼっちの男が売り場の椅子に座っていて、それまた女性に化粧をしてもらっている。

 

こんな経験二度とあるか。(実はこの後もう一度だけこのMACでお世話になることがあった)

 

ある意味、自分の中で一皮剥けたような気がした。

 

お店には離れたところに寮があったので、アパートも家財道具も引き払って寮に移るっていう方法もあった。でも自分がホストで成功できるか本当に分からないし、何より自分の空間は置いておきたかったから、アパートは残してそこから新宿まで通うことにした。

 

定期券も新宿まで3ヶ月分で買ってトータル3万ぐらい。衣装も一日500円でスーツを貸してくれる店だったけど、極めてダサいから自分で買うことに。

 

 

 

新宿伊勢丹近くのKAWANOって店がオススメだ。でもキラキラのスタッズの付いた1枚の半袖Tシャツが1万〜とか普通にするので、ここで買うのはホストとして売れてからでいいと思う。売れなかったら勿体ないからってヤフオクで出品する羽目になるだろう。笑

 

KAWANOの隣の地下にマジックサンクって店がある。結構リーズナブルな価格でホスト向けの服を取り扱っているので、こっちの方が新米ホストにはオススメだ。

 

店員さんも結構優しいし、なんかの企画でスナップ写真を撮ってもらう機会もあったので記念に撮っておいた。

 

41ri4w7tzKL._SL160_ ホストになりたい貴方へ、新宿歌舞伎町のホストを3ヶ月間やってみて感じたこと、学んだことを伝える実話。

マジックサンクFacebookページよりお借りしました。

 

なんやかんやで自腹を切ることが何よりも普通な仕事だから、ホストって本当にお金に余裕がないとできないと思う。

 

ホストってある意味自営業って言われることがあると思うけど、本当に経費が掛かる商売でお客を取らないと経費だけで手渡しの給料の大半が消えてゆくだろう。

 

僕のホストの初任給が確か19万ぐらいだったと思うけど、ここから交通費とヘアメ代と衣装代や化粧品代など抜くと、かなり危うい。昼職で働いた方が社会保険も付いて交通費も支給されるところも多いだろうから、売れないホストをやるくらいなら間違いなく昼職をやった方がいいと思う。

 

遅刻とかはほとんどしなかったから罰金は少なかったけど、客を取らないことから入店当時の日給1万円から最後は日給6〜7,000円ぐらいまで下がった。

 

自分の24歳の誕生日に始めたホスト生活、まだまだ暑い夏は続く…

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